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技士補も専任技術者・監理技術者に

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技士補も専任技術者・監理技術者に

2023年09月08日
技士補も専任技術者・監理技術者に

令和3年度から導入された技士補の資格。

今年の7月1日以降、この技士補の資格一定の実務経験営業所専任技術者や現場の監理技術者等になることができるようになりました。

今回は新制度の概要とこれまでの制度からの変更点を見ていきましょう。

 

技士補とは?

 

専任技術者の要件についての解説の前に、まず技士補について確認しておきましょう。

技士補とは、1級・2級の各技術検定の第一次試験に合格した者が得られる資格です。(例えば、1級建築施工管理技術検定の第一次試験に合格すると、1級建築施工管理技士の資格を得られる。)

これは令和3年4月1日から導入された制度で、技士補を監理技術者補佐として現場に配置することで、監理技術者が2つの現場を兼任できるようになるため、建設業界の人手不足を補うための制度として創設されました。

 

技士補が導入された理由

 

令和2年度以前の技術検定制度では、「学科試験」と「実地試験」の両方に合格することで、「◯級◯◯施工管理技士」という資格を得ることができました。

しかし、逆に言えば実地試験に不合格になってしまうと何の資格も得られず、しかも学科試験の合格の有効期間は2年間しかなかったため、2年間のうちに実地試験に合格することができないと、再び学科試験から受け直しになってしまいます。

現場での監理技術者・施工管理技士の不足が問題視される中で、このような制度が技術者確保の高いハードルとなっていました。

そこで、「学科試験→第一次試験」「実地試験→第二次試験」と名前を変え、第一次試験に合格した者に技士補の資格を与えることにし、監理技術者を補佐する業務に当たらせることで、技術者不足を補うことを目指して、技士補が導入されることになりました。

さらに、以前は学科試験合格に有効期限があったのが、第一次検定合格=技士補制度では、合格が永久に有効となったため、よりキャリアアップを目指しやすい制度となりました。

 

技士補も専任技術者に

 

さて、本題の専任技術者について解説していきます。

令和5年6月30日までの制度では、制度上技士補が担える職務は、監理技術者補佐として監理技術者の職務を助けることに限られていましたが、今般の制度改正によって、技士補合格後一定の実務経験を積む(詳細は後述)ことで、営業所専任技術者や現場の主任・監理技術者として従事できるようになりました。

これは正確に言うと「専任技術者・監理技術者等の資格要件として技士補が追加された」というわけではなく、「技士補の資格を持っている者を指定学科卒業と同等とみなすことで専任技術者等になれるようになった」ということです。

※出典:国土交通省『「施工技術検定規則及び建設業法施行規則の一部を改正する省令」等の公布~建設業における技術者制度の見直しが行われます~

 

上記の画像中にもある通り、これによって大きく影響を受けるのが機械器具設置工事業の専任技術者・主任技術者等です。

従前の制度では、機械器具設置の専任技術者等になれる資格は技術士のみであり、ほとんどのケースで実務経験10年しか選択肢がなく、これが機械器具設置の取得を目指す業者さんの大きな障壁になっていました。

しかし、今回の制度改正により、上記の画像の通り建築・電気工事・管工事の各施工管理技士の第一次検定に合格した方であれば、一定の実務経験を積むことで、機械器具設置の専任技術者等になれるようになりました。

実務経験は必要なものの10年経験の半分またはそれ以下で済み、これまでより資格の範囲が大きく広がったため、例えばこれらの技士補や技士の資格を持っている方を雇い、数年実務経験を積んでもらってから許可の取得を目指す、ということもできるようになりました。

また、他業種でも技士補が専任技術者等になれるようになっていますが、詳細は下記URLをご覧ください。

建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧

 

まとめ

 

今回は技士補に関する制度改正について解説してきました。

今まで専任技術者の問題で許可取得を諦めていらっしゃった業者様も、これを機に許可取得を考えていただくのはいかがでしょうか。

弊所ではご相談の際に、専任技術者の資格要件も確認させていただいております。

以前は「技士補だから許可が取れない…」という状況だった場合でも、現在なら許可が取れる可能性があります。

専任技術者の資格要件がよく分からないという方は、一度弊所までご相談ください。

 

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