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建設業許可の社会保険加入義務について

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建設業許可の社会保険加入義務について

2021年01月20日
建設業許可の社会保険加入義務について

令和2年10月1日から「適切な社会保険の加入」が建設業許可の許可要件になりました

「適切な社会保険」に加入していないと建設業許可申請が出来なくなります。

「適正な社会保険」とは何か、許可申請時に必要な確認資料などを見ていきます。

 

「適切な社会保険への加入」が義務に

 

建設業においては、社会保険等の法定福利費を負担しない企業が存在し、若手の入職者減少の原因の一つになっているほか、関係法令を遵守して適正に法定福利費を負担する事業者は、負担していない事業者に比べて当然出費が増えるため、結果的に競争上不利になるという矛盾した状況が生じていました。そこで国土交通省は、平成24年度から社会保険未加入対策を進めてきました。

建設業者の社会保険加入率100%を目標に、これまで社会保険未加入対策として様々な取り組みが行われてきたおかげで、建設業における社会保険未加入率は年々上がってきました。しかし残り数パーセントの社会保険未加入建設業者が無くなりませんでした。

そこで令和2年10月に施行された改正建設業法において「適切な社会保険への加入」が義務となりました。建設業許可を取得しようとする事業者は、申請の際に適切な社会保険に加入しているか確認されることとなります。

建設業で求められる適切な社会保険とは、健康保険・厚生年金保険・雇用保険の3つです。これらの保険について加入義務があるのに加入していない場合、建設業許可の申請が受け付けられません。

 

 

適切な社会保険とは

 

事業者が加入すべき社会保険・労働保険は、事業形態や従業員の数によって変わります。

自分が加入すべき社会保険・労働保険について確認しましょう。

なお、アルバイト・パートといった短時間労働者や日雇い労働者、個人事業主の家族従業員など、いわゆる「正社員」でない方は適用関係が変わる場合があります。
詳しくはこちら(国土交通省の資料)

 

<法人の従業員>

・雇用保険

・健康保険(次のいずれか) 「協会けんぽ」「健康保険組合」「適用除外承認を受けた国民健康保険組合(建設国保等)」

・厚生年金

<法人の役員>

・健康保険(次のいずれか) 「協会けんぽ」「健康保険組合」「適用除外承認を受けた国民健康保険組合(建設国保等)」

・厚生年金

<個人事業主の従業員(従業員数5人以上の事業所)>

・雇用保険

・健康保険(次のいずれか) 「協会けんぽ」「健康保険組合」「適用除外承認を受けた国民健康保険組合(建設国保等)」

・厚生年金

<個人事業主の従業員(従業員数1~4人の事業所)>

・雇用保険

・国民健康保険 or 国民健康保険組合(建設国保等)

・国民年金

<個人事業主本人・一人親方>

・国民健康保険 or 国民健康保険組合(建設国保等)

・国民年金

 

▼「適正な保険」の図

ご自身が当てはまるパターンの保険に加入しましょう!

適正な保険

 

 

社会保険の加入確認資料

 

適切な社会保険に加入していることを以下の資料で証明します。(大阪府の場合)

資料は提示ではなく提出となります。

 

(1)健康保険・厚生年金保険

ア 健康保険 (全国健康保険協会)に加入の場合(以下のいずれか)

・納入告知書 納付書・領収書の写し

・保険納入告知額・領収済通知書の写し

・社会保険料納入確認(申請)書 (受付印のあるもの)写し

・健康保険・厚生年金保険被保険者標準報酬額決定通知書

 

イ 組合管掌健康保険に加入の場合(以下のいずれか)

・(健康保険について) 健康保険組合発行の保険料領収証書の写し

・(厚生年金保険について) 上記アのいずれか

 

ウ 国民健康保険に加入の場合
(厚生年金保険について) 上記アのいずれか

 

(2) 雇用保険
(以下のいずれか)

「労働保険概算・確定保険料申告書」及び「領収済通知書」の写し

「労働保険料等納入通知書」及び「領収済通知書」の写し

許可申請時直前の保険料納付に係る雇用保険料納入証明書

 

「雇用保険適用されるから手続きしたけど、保険料を支払うタイミングがまだで上の書類が出せないんだけど…」という場合は、次のいずれかの書類の写しを提出すれば大丈夫です。

雇用保険被保険者資格取得等通知書(事業主通知用)

雇用保険適用事業所設置届 事業主控え(受付印済)

 

 

まとめ

 

令和2年10月改正の建設業法では、建設業許可新規申請・更新申請において社会保険に加入していることが許可要件になりました。正しい社会保険に加入するようにしましょう。

 

 

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