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建設業許可の29種類の業種➀ 土木工事業、建築工事業(いわゆる「一式工事」)

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建設業許可の29種類の業種➀ 土木工事業、建築工事業(いわゆる「一式工事」)

2020年12月11日
建設業許可の29種類の業種➀ 土木工事業、建築工事業(いわゆる「一式工事」)

建設業許可には29種類の業種があり、その業種ごとに許可を取得することになっています。

例えば、管工事の許可しか持っていない建設業者は、管工事であれば500万円以上の工事を請け負えますが、内装工事の場合は500万円以上の工事を請け負うことはできません。

また、業種判断は、自ら工事を請け負う場合だけでなく、下請業者へ発注する際にも必要となります。発注金額が500万円以上の工事であれば、元請業者は下請業者がその工事を請け負うことができる業種の許可を持っているのか確認をしなければなりません。確認を怠り無許可業者へ発注してしまった場合、当該下請業者はもちろん元請業者も建設業法違反で監督処分の対象となる可能性があるため、下請業者への注文者の立場になったとしても業種判断は必要です。

 

というわけで、29業種についてひとつずつ見ていきましょう!

 

「一式工事」とは

 

「土木工事業」及び「建築工事業」の2業種は、建設工事の種類としてはそれぞれ「土木一式工事」及び「建築一式工事」に分類されます。この「一式工事」は他の27業種の専門工事と異なり、「原則として元請業者の立場で総合的な企画・指導・調整のもとに土木工作物又は建築物を建設する工事であり、複数の下請業者によって施工される大規模かつ複雑な工事」というものです。

「元請の立場で複数の専門の下請業者さんを使って、大規模かつ複雑な工事を行う場合に土木・建築一式工事の許可が必要」という感じです。

一式工事はその工事全体のマネージメントを行うことから、原則として元請として工事を請け負う場合に必要な許可業種です。下請業者が、元請業者から一式工事を請け負うということは、一括下請負の禁止に反する可能性があるため、原則としてありえません。

ですから、毎年提出する決算報告書の工事経歴に記載する工事実績については、一式工事の場合には「元請」となるようにしましょう。

 

「土木一式工事」とは

 

・橋梁工事

・ダム工事

・空港工事

・トンネル工事

・高速道路工事

・鉄道軌道工事(元請)

・区画整理工事

・道路・団地等造成工事(個人住宅の造成は含まない)

・公道下の下水道工事(上水道は含まない)

・農業・かんがい水工事

・管渠工事

・トンネル工事

などを一式として請け負うものです。

土木一式の許可を持っていたら土木系の工事全てができるわけではなく、一式工事の許可を取得している業者が単独の専門工事を請け負う際は、その専門工事の建設業許可を取得する必要があります。(※工事請負金額が500万円未満であれば建設業許可は不要です)

 

 

土木工事業の専任技術者の要件

 

1.資格者

ピンク色は、資格のみで特定建設業の専任技術者になれる資格です

◯1級建設機械施工技士

◯2級建設機械施工技士(第一種~第六種)

◯1級土木施工管理技士

◯2級土木施工管理技士(土木)

◯技術士:建設・総合技術監理(建設)

◯技術士:建設「鋼構造及びコンクリート」・総合技術監理(建設「鋼構造及びコンクリート」)

◯技術士:農業「農業土木」・総合技術監理(農業「農業土木」)

◯技術士:水産「水産土木」・総合技術監理(水産「水産土木」)

◯技術士:森林「森林土木」・総合技術監理(森林「森林土木」)

 

2.土木工学、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科を卒業

◯大学卒業で土木工事の実務経験3年以上

◯高度専門士又は専門士(専門学校卒業)で土木工事の実務経験3年以上

◯高校卒業で土木工事の実務経験5年以上

◯専門学校(専修学校専門課程)卒業で土木工事の実務経験5年以上

 

3.土木一式工事の実務経験10年以上

◯土木一式工事について技術上の実務経験が通算で10年以上(資格・学歴は不要です)

 

※土木工事業は、指定建設業7業種のうちの1つなので、特定建設業で専任技術者になることができる方は1のピンク色の資格者に限られます。

 

「建築一式工事」とは

 

新築及び増改築工事や集合・マンション建築工事などの建築確認を必要とする工事になります。

もちろんこちらも一式工事の許可で建築系の仕事すべてができるわけではありません。工事1件の請負金額が500万円以上の大工工事や内装仕上工事などの部分的な専門工事のみを請け負う場合は、大工工事業や内装仕上工事業の許可が必要となります。

そして建築一式工事の場合だけ許可が必要になる請負金額が他業種とは基準が違います。

「請負金額が1500万円まで」または「延床面積が150平方メートルの木造住宅の建築の場合」は建設業許可はいりません。

 

 

建築工事業の専任技術者の要件

 

1.資格者

ピンク色は、資格のみで特定建設業の専任技術者になれる資格です

◯1級建築施工管理技士

2級建築施工管理技士(建築)

◯一級建築士

◯二級建築士  

 

2.建築学又は都市工学に関する学科を卒業 

大学卒業で建築一式工事の実務経験3年以上

高度専門士又は専門士(専門学校卒業)で建築一式工事の実務経験が3年以上

高校卒業で建築一式工事の 実務経験5年以上

専門学校(専修学校専門課程)卒業で建築一式工事の実務経験が5年以上

 

3.建築一式工事の実務経験10年以上

建築一式工事について技術上の実務経験が通算で10年以上(資格・学歴は不要です)

 

 

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