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建設業許可の29種類の業種⑪ 機械器具設置工事業、熱絶縁工事業

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建設業許可の29種類の業種⑪ 機械器具設置工事業、熱絶縁工事業

2021年01月06日
建設業許可の29種類の業種⑪ 機械器具設置工事業、熱絶縁工事業

 

機械器具設置工事業

 

機械器具設置工事とは、機械器具の組立て等により、工作物を建設する工事や工作物に機械器具を取り付ける工事のことをいいます。

この機械器具設置はちょっと複雑で、設置するものや工事内容によっては、「とび・土工・コンクリート工事」や「電気工事」、「管工事」に当てはまるケースもあります。

詳しくは「他の工事との境界線」の項で解説します。

 

工事の例示

 

プラント設備工事、運搬機器設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設備工事、立体駐車設備工事等

 

他の工事との境界線

 

国土交通省のガイドラインからの抜粋です。

◯『機械器具設置工事』には広くすべての機械器具類の設置に関する工事が含まれるため、機械器具の種類によっては『電気工事』、『管工事』、『電気通信工事』、『消防施設工事』等と重複するものもあるが、これらについては原則として『電気工事』等それぞれの専門の工事の方に区分するものとし、これらいずれにも該当しない機械器具あるいは複合的な機械器具の設置が『機械器具設置工事』に該当する。

◯「運搬機器設置工事」には「昇降機設置工事」も含まれる。

◯「給排気機器設置工事」とはトンネル、地下道等の給排気用に設置される機械器具に関する工事であり、建築物の中に設置される通常の空調機器の設置工事は『機械器具設置工事』ではなく『管工事』に該当する。

◯公害防止施設を単体で設置する工事については、『清掃施設工事』ではなく、それぞれの公害防止施設ごとに、例えば排水処理設備であれば『管工事』、集塵設備であれば『機械器具設置工事』等に区分すべきものである。

 

複雑で分かりづらいですが、要するに「機械器具設置っぽいものから他の業種に該当する工事を除外していって、残ったものが機械器具設置工事になる」ということです。

原則として、電気や管と重複している内容はそれぞれの専門工事の区分になります。

現場において、無の状態から各パーツを組み上げて機械器具を完成させる工事であるというのがひとつの目安となります。したがって、すでに完成している機械(例えば大型の冷蔵庫など)を現場まで運搬して設置するだけであれば、重量物の運搬・設置なので「とび・土工・コンクリート工事」の扱いとなります。

 

機械器具設置工事業の専任技術者になるには

 

1.資格者

ピンク色は、資格のみで特定建設業の専任技術者になれる資格です

◯技術士:機械部門・総合技術監理部門(機械)

 

2 .建築学、機械工学、電気工学に関する学科を卒業している機械器具設置工事の実務経験者
(建設業法第七条第二号イ該当)

◯大学卒業で機械器具設置工事の実務経験3年以上

◯高度専門士又は専門士(専門学校卒業)で機械器具設置工事の実務経験が3年以上

◯高校卒業で機械器具設置工事の実務経験5年以上

◯専門学校(専修学校専門課程)卒業で機械器具設置工事の実務経験が5年以上

 

3 .機械器具設置工事の実務経験が10年以上
(建設業法第七条第二号ロ該当)

◯機械器具設置工事での技術上の実務経験が通算10年以上(資格・学歴は不要です)

 

※特定の専任技術者になるには、1の特定の専任技術者になれる資格を持っている or 1.2.3のいずれかに該当し、かつ元請として4,500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験のいずれかが必要になります。

 

機会器具設置工事業の専任技術者になることができる資格は技術士のみと、他業種に比べて圧倒的に数が少ないうえに、技術士という資格自体が難易度が高く持っている人が少ないため、実務経験で取得する方が多いです。また、この資格の少なさや実務経験の証明の難しさが壁となり、他の業種に比べて建設業許可の取得が難しくなっているようです。

 

 

熱絶縁工事業

 

熱絶縁工事とは、工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事・保温保冷工事のことをいいます。

工場やプラント内における様々な機械、ビルや病院などの空調、配管、ダクト、タンク等を断熱材などを外装材で覆うようなイメージです。

 

工事の例示

 

冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事等

 

他の工事との境界線

 

特にありません。

 

熱絶縁工事業の専任技術者になるには

 

1.資格者

ピンク色は、資格のみで特定建設業の専任技術者になれる資格です

◯1級建築施工管理技士

◯2級建築施工管理技士(仕上げ)

◯1級熱絶縁施工技能士

◯2級熱絶縁施工技能士+合格後3年の実務経験

◯登録保温保冷基幹技能者

 

2.土木工学、建築学、機械工学に関する学科を卒業している熱絶縁工事の実務経験者

◯大学卒業で熱絶縁工事の実務経験3年以上

◯高度専門士又は専門士(専門学校卒業)で熱絶縁工事の実務経験が3年以上

◯高校卒業で熱絶縁工事の実務経験5年以上

◯専門学校(専修学校専門課程)卒業で熱絶縁工事の実務経験が5年以上

 

3. 10年以上の熱絶縁工事の実務経験者

◯熱絶縁工事について技術上の実務経験が通算で10年以上ある(資格・学歴は不要です)

 

※特定の専任技術者になるには、1の特定の専任技術者になれる資格を持っている or 1.2.3のいずれかに該当し、かつ元請として4,500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験のいずれかが必要になります。

 

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