行政書士船場事務所

0662240886
営業時間9:00- 18:00 土日祝休み

46. 産業廃棄物収集運搬業許可について その3 自社運搬、マニフェスト

column
船場事務所 » コラム » 産業廃棄物収集運搬業 » 46. 産業廃棄物収集運搬業許可について その3 自社運搬、マニフェスト

46. 産業廃棄物収集運搬業許可について その3 自社運搬、マニフェスト

2021年04月19日
46. 産業廃棄物収集運搬業許可について その3 自社運搬、マニフェスト

産業廃棄物収集運搬業許可について その3 自社運搬、マニフェスト

 

自社運搬とは

 

産業廃棄物の収集運搬を他人から委託を受けて、業として行おうとする者は、業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事の許可を受けなければなりません。

逆を言えば、自社運搬、「自ら排出した廃棄物を自らが運搬する」場合は、廃棄物収集運搬業許可は不要になります。

廃棄物処理法では、建設工事現場で発生した建設廃棄物の排出事業者は、常に「元請業者」です。「元請業者」が自ら建設廃棄物を排出し、自ら収集して処分業者などに運搬する場合は、産業廃棄物収集運搬業許可は不要です。

下請業者が下請の立場で工事を行った際に出た建設廃棄物を、建設工事現場外に運搬する場合は、運搬先がどこであるかに関わらず「他人の(排出事業者である元請業者の)産廃」を運搬することになるので、収集運搬許可が必要になってきます。

許可が不要な自社運搬であっても、廃棄物処理法第12条に「事業者は、自らその産業廃棄物の運搬又は処分を行う場合には、政令で定める産業廃棄物の収集、運搬及び処分に関する基準に従わなければならない」とあるように、それが自社運搬だろうが他社からの依頼を受けた運搬だろうが、「産業廃棄物の収集、運搬に関する基準」を遵守しなくてはなりません。

 

 〇産廃を自社運搬する場合の3つの義務(廃棄物処理法施行規則第7条の2の2)

1.飛散・流出・悪臭・騒音・振動など生活環境の保全上支障が生じないように必要な措置を講ずること

2.法定された書類を出すこと

3.車両に法定された表示をすること

 

自社運搬の例 (収集運搬の許可が不要)

 

・解体工事現場で出た木くずを、元請業者が中間処理場に運搬

・大阪府内にあるA工場で排出された汚泥を、A工場の従業員自ら委託契約を締結している汚泥の中間処分場に運搬

 

他人の産廃を運搬する例 (収集運搬の許可が必要)

 

下請として入っている解体工事現場で出たコンクリート破片を下請業者が現場外の元請業者が用意した保管場所に運搬

・下請として入った解体工事現場で出た蛍光灯を下請業者が中間処分場に運搬

昨日は元請で今日は下請で現場に入ったからコンテナには元請、下請関係なく一緒くたになって入ってるよ、という場合、下請の現場で出た産廃は、工事現場から一切持ち出せません。

排出事業者である元請業者は、下請業者または孫請業者と収集運搬の委託契約を、処分業者とは処理委託契約をそれぞれ締結し、マニフェストを交付しなければなりません。

孫請業者は下請業者と委託契約を締結するわけではなく、あくまでも元請業者と締結します。

下請業者(孫請業者)が産業廃棄物収集運搬業許可を受けずに建設廃棄物を運搬した場合、当事者はもちろん元請業者にも罰則が適用されます。

 

マニフェストについて

 

マニフェスト制度は、産業廃棄物の委託処理における排出事業者責任の明確化と、不法投棄の未然防止を目的として実施されています。産業廃棄物は、排出事業者が自らの責任で適正に処理することになっています。その処理を他人に委託する場合には、産業廃棄物の名称、運搬業者名、処分業者名、取扱い上の注意事項などを記載したマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付して、産業廃棄物と一緒に流通させることにより、産業廃棄物に関する正確な情報を伝えるとともに、委託した産業廃棄物が適正に処理されていることを把握する必要があります。

マニフェストの流れを見ていきましょう。

 

マニフェストの流れ

出展元:財団法人食品産業センターHP

 

マニフェストの運用の方法

➀(排出事業者)⇒(収集運搬業者1)
排出事業者がマニフェストに必要事項を記入します。
産業廃棄物を収集運搬業者に引き渡す時、A~E票をすべてを渡して記載事項をお互いに確認します。
運搬担当者からA~E票すべてに署名捺印をもらい、A票を控えとして保管します。

➁(収集運搬業者1)⇒(中間処理業者)
収集運搬業者は、産業廃棄物を中間処理業者に引き渡す時、B1~E票を渡し、処理担当者から署名捺印をもらいます。
B1票とB2票を受け取り、B1票を控えとして保管します。

➂(収集運搬業者1)⇒(排出事業者)
収集運搬業者は、運搬終了後10日以内に署名捺印されたB2票を排出事業者に返送します。

➃(中間処理業者)⇒(排出事業者/収集運搬業者1)
中間処理業者は、処理終了後10日以内にD票を排出事業者に、C2票を収集運搬業者に返送します。

➄(中間処理業者)⇒(収集運搬業者2)
ここから先は、中間処理業者が新たに排出事業者になってマニフェストを交付します。

➅(収集運搬業者2)⇒(最終処分業者)
収集運搬業者は、産業廃棄物を最終処分場に引き渡す時、B1~E票を渡し、処分担当者から署名捺印をもらいます。
B1票とB2票を受け取り、B1票を控えとして保管します。

➆(収集運搬業者2)⇒(中間処理業者)
収集運搬業者は運搬終了後10日以内に署名捺印されたB2票を、排出事業者である中間処理業者に返送します。

➇(最終処分業者)⇒(中間処理業者/収集運搬業者2)
最終処分業者は、処分終了後10日以内に最終処分終了の記載(最終処分の場所の所在地及び最終処分年月日を記載)したD票とE票を排出事業者である中間処理業者に、C2票を収集運搬業者に返送します。

➈(中間処理業者)⇒(排出事業者)
中間処理業者は、最終処分終了の旨を記載されたE票を受け取った場合、排出事業者が交付したE票に、最終処分終了の記載を転記して、10日以内に排出事業者に返送します。

 

マニフェストは産業廃棄物の種類ごとや運搬先ごとに交付しなければなりません。種類(石綿含有物を含む場合はその旨)、数量、受託者の氏名、名称、管理票交付担当者名を確認した後に交付してください。
マニフェストの交付義務があるのは、排出事業者であり産業廃棄物の処理業者側ではありません。

 

マニフェストの保存義務

 

排出事業者、収集運搬業者、処理業者には、それぞれマニフェストの写しを保管する義務があります。

 

マニフェスト 保存義務者      保存期間 
    A票      委託者(排出事業者)  マニフェスト交付日より5年
         B1票                     収集運搬業者      法的な保存義務は無し
         B2票                     委託者(排出事業者)      写しの送付を受けた日から5年
         C1票                     処分業者      写しを送付した日から5年 
         C2票                     収集運搬業者      写しの送付を受けた日から5年
    D票                     委託者(排出事業者)      写しの送付を受けた日から5年
E票                     委託者(排出事業者)     写しの送付を受けた日から5年

 

繰り返しになりますが、マニフェストの発行は、排出事業者の義務です。

そして処理業者(収集運搬処理業者、中間処理業者、最終処理業者)が、マニフェストの交付を受けずに産業廃棄物処理を引き受けることは法律違反になり、罰則が科せられます。

排出事業者はマニフェストの発行を、処理業者はマニフェストの受け取りを徹底し、産業廃棄物処理を安全に行いましょう。

 

行政書士船場事務所