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6.主任技術者・監理技術者とは 

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6.主任技術者・監理技術者とは 

2020年12月05日
6.主任技術者・監理技術者とは 

決算変更届や入札の際に出てくる、「主任技術者」や「監理技術者」

「専任技術者」と似ててややこしいのですが、この違いを知っておくことは大事なので、主任技術者の要件や、配置義務についてなど詳しく見ていきたいと思います。

 

 

「専任技術者」「主任技術者」「監理技術者」の役割

 

まず、建設業許可を取った業者は、建設工事の適正な施工を確保するため、工事現場における建設工事の施行の技術の管理を司る者として、元請、下請、金額の大小に関わらず、必ず工事現場に「主任技術者」もしくは「監理技術者」の設置が義務付けられています。

 

専任技術者・・・営業所において、請負契約の締結にあたり技術的なサポート(工事方法を検討したり、見積書を作成したり)をする人

主任技術者・・・建設工事を施工する場合には、工事現場における工事の施行の技術上の管理を司る者(工事現場に必ず配置しなければならない人)

監理技術者・・・元請として請け負った工事を下請に出す際に、その合計金額が4000万円(建築一式 6000万円)以上になる場合には、主任技術者の代わりに監理技術者を置く

 

専任技術者は、事務所に常にいて、契約などをする技術者です。専任技術者は事務所に常駐しなければならず、原則、現場に出ることはできません

主任技術者・監理技術者は現場にいる技術者です。

 

主任技術者・監理技術者になる為の要件

 

主任技術者・監理技術者になる為の要件

➀必要な資格、実務経験を有していること

➁建設業者との間に、直接的かつ恒常的な雇用関係があること

 

➀の必要な資格・実務経験は 主任技術者→一般建設業許可の専任技術者の要件

監理技術者特定建設業許可の専任技術者の要件と同じです。

監理技術者は、監理技術者資格者証の交付を受けることと監理技術者講習を修了することが必要となっています。

営業所専任技術者・現場技術者(監理技術者・主任技術者)となるための要件

監理技術者又は主任技術者となり得る国家資格等

 

➁の、直接的かつ恒常的は雇用関係とは、主任技術者・監理技術者とその所属建設業者との間に第三者の介入がな一定の期間にわたり勤務し、かつ毎日一定時間以上職務に従事することになる状況をいいます。公共工事においては、所属建設業者から入札の申し込みのあった日(指名競争の場合で入札の申込を伴わないものは、入札の執行日、随意契約の場合は見積書の提出日)以前に3ヵ月以上の雇用関係にあることが必要とされています。民間工事においても同程度と考えておくのがよさそうです。

なので、在籍出向者や派遣社員は認められていません

雇用関係については、健康保険証などで確認できることが必要です。

 

主任技術者・監理技術者の専任が求められる工事

 

主任技術者・監理技術者は、工事現場に常駐することは求められていません。

しかし公共性のある施設もしくは工作物または多数の者が利用する施設もしくは工作物に関する重要な建設工事で、工事1件の請負金額が3500万円以上(建築一式工事の場合は7000万円以上)の工事に関しては、主任技術者・監理技術者の専任が求められます。公共工事に限らず、民間工事も含まれ、個人住宅を除く多くの工事が対象になります。

公共性のある施設もしくは工作物うんぬんというのは、国・地方公共団体が注文者である工事とか、鉄道、橋、ダムや福祉事業の施設とかをいいます。

 

主任技術者は複数の現場を兼任できるのか

 

主任技術者・監理技術者は上記の「専任が求められる工事」においては、その工事現場に「専任」せねばならず、他の現場との掛け持ちは原則的に不可です。

専任とは、他の工事現場との兼務を禁止し、常時継続的に当該工事現場にのみ従事することを意味していますので、専任が求められる工事現場に配置された主任技術者は、原則として他の工事現場の主任技術者の職務を兼務することはできません。

しかし主任技術者に限っては、例外的に兼務が認められる場合があります。

例外

➀密接な関係のある2つ以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合

密接な関係のある2以上の建設工事を同一の建設業者が同一の場所又は近接した場所において施工する場合は、同一の専任の主任技術者がこれらの建設工事を兼務することができます。この場合、主任技術者が管理することができる工事の数は、原則2件程度とされています。

・2つの現場の資材を一括で調達し、相互に工程調整を要するもの

・工事の相当の部分を同一の下請業者で施工し、相互に工程調整を要するもの

「近接した場所」とは、工事現場の相互の間隔が10km程度以内とされています。

➁同一あるいは別々の発注者が、同一の建設業者と締結する契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事であって、かつ、それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められる場合

同一あるいは別々の発注者が、発注する工事で次の(ア)(イ)のいずれも満たす場合は、全体の工事を当該建設業者が設置する同一の主任技術者が掌握し、技術上の管理を行うことが合理的であると考えられることから、これら複数の工事を一つの工事とみなして、同一の主任技術者が兼務することができます。

(ア) 契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事であること

(イ) それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められること

この取り扱いは、当初の請負契約以外の請負契約が随意契約により締結される場合に限られています。なお複数工事に係る下請金額の合計を4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上とするときは特定建設業許可が必要で、工事現場には主任技術者ではなく監理技術者を設置することとなりますので、注意が必要です。

 

「専任が求められる工事」でなければ、主任技術者については、主任技術者としての職務(施工計画の作成、工程管理や技術上の指導監督等)が果たせるのであれば、他の工事現場との兼務を禁止する規定はありませんので、問題ないと思われます。

 

 

令和2年度施行改正建設業法「専門工事一括管理施工制度」

 

「専門工事一括管理施工制度」

令和2年の改正建設業法の施行により、主任技術者の配置が緩和されました。

元々、主任技術者は全ての工事現場に配置しなければなりませんが、ただでさえ人材不足が問題視されている中、一定の資格(実務経験者を含む)を持った『主任技術者』の配置義務は多くの下請の建設業者にとってかなりの負担になっています。これが今回の建設業法の改正により要件が緩和されました。

➀対象とする工事

鉄筋工事

型枠工事

➁下請契約の請負代金の額

3500万円未満

➂手続きの要件

・工事の元請負人が注文者の書面にて承諾を得ること

・元請負人と下請負人が書面による合意をすること

➃配置される主任技術者の要件

上位下請の主任技術者は、当該特定専門工事と同一の種類の建設工事に関し1年以上指導監督的な実務の経験を有すること

また当該特定専門工事の工事現場に専任で置くこと

⑤再下請の禁止

主任技術者を置かないこととした下請負人は、その下請負に係る建設工事を他人に請け負わせてはいけません。

 

専任の主任技術者の取り扱い

 

 

 

監理技術者の複数の現場の兼任について

 

主任技術者は、2つ以上の一体性もしくは連続性が認められる工事を同一の建設業者が同一の場所または近接した場所において施工する場合は、兼任が認められていますが、監理技術者には認められていません。監理技術者は、下請負人を適切に指導、監督するという総合的な役割を担っているため、主任技術者に比べ、より厳しく兼務が制限されています。

しかし、以下の条件を満たせば、専任の監理技術者でも兼務が認められます。

同一、あるいは別々の発注者が発注する工事で次の➀➁のいずれも満たす場合は、全体の工事を当該建設業者が設置する同一の監理技術者が掌握し、技術上の管理を行うことが合理的であると考えられることから、これらの複数の工事を一つの工事とみなして、同一の監理技術者が兼務することができます。この取り扱いは、当初の請負契約以外の請負契約が随意契約により締結される場合に限られます。

➀契約工期の重複する複数の請負契約に係る工事であること

➁それぞれの工事の対象となる工作物等に一体性が認められること

 

 

令和2年施行改正建設業法「監理技術者の専任緩和」

 

令和2年の改正建設業法の施行により、限りある人材の有効活用という視点から、監理技術者の専任が緩和されます。監理技術者補佐を専任で設置すれば、監理技術者が複数の現場を兼務できるという規定が設けられました。

監理技術者補佐には、もともと監理技術者として求められている1級施工管理技士の有資格者と、令和3年度の技術検定の再編で創設される「技術士補」のうち1級第1次検定に合格した1級技士補を充てることが可能です。監理技術者補佐を専任で設置した場合、監理技術者が2つの現場を兼務することが可能です。この制度には、監理技術者補佐として設置した技術者にノウハウを伝承してもらうという狙いもあります。

 

 

500万円未満の軽微な工事について

 

主任技術者は、建設業許可が必要な工事=500万円以上の工事にだけ必要なのではなく、建設業許可取得業者は、軽微な工事(500万円未満の工事)であっても、主任技術者の配置が求められています。

 

主任技術者の設置が必要な工事

 

建設業法では、建設業許可許可業者は、請け負った建設工事を施工する時は、当該建設工事に関し、工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる主任技術者を置かなければならないとされています。

 

▼建設業法

第26条(主任技術者及び監理技術者の設置等)第1項

 建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第七条第ニ号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。

 

この規定では、請負金額に触れられておらず、金額に関わらず主任技術者の設置が必要であると読み取ることができます。

 

無許可業者は主任技術者を設置しなくてもよい

 

先述したように、建設業許可許可業者は、金額に関わらず主任技術者の設置が必要ですが、無許可業者については、主任技術者を設置する必要がありません。

 

建設業許可許可業者であっても、無許可の業種については主任技術者を設置しなくてもよい

 

建設業許可は29業種の中から、許可を取得したい業種を選択して許可を受けることになります。その為、建設業許可許可業者であっても、許可を持っていない業種があることは多々あります。建設業許可許可業者が請け負う工事が許可を持っていない業種に該当する場合、その工事については無許可業者ということになるので、主任技術者の配置も不要ということになります。

 

 

監督員、現場代理人と主任技術者・監理技術者は兼務できるのか

 

監督員、現場代理人、主任技術者・監理技術者はどれも重要な役割を持っています。それぞれ兼務できるのでしょうか。

 

監督員とは

 

監督員とは、注文者の代理人として、次のような職務を行うために工事現場に設置される者です。

➀契約の履行についての受注者又は受注者の現場代理人に対する指示、承諾又は協議

➁設計図書に基づく工事施工のための詳細図等の作成及び交付又は受注者が作成した詳細図等の承諾

③設計図書に基づく工程の管理、立会い、工事の施工状況の検査又は工事材料の試験若しくは検査(確認を含む。)

建設業法には、監督員の設置に関する規定はなく、当事者間の契約で設置が定められているものです。なお国土交通省の中央建設業審議会の公共工事標準請負契約約款には、監督員についての規定があります。

 

現場代理人とは

 

現場代理人とは、契約の履行に関し、工事現場の運営、取締りを行うほか、請負代金の変更、請負代金の請求及び受領等を行うために工事現場に設置される受注者の代理人です。

公共工事標準請負契約約款では、原則として工事現場に常駐とされていますが、発注者が、現場代理人の工事現場における運営、取締り及び権限の行使に支障がなく、発注者との連絡体制も確保されると認めた場合には、常駐させる必要はありません。

現場代理人についても、建設業法には設置に関する規定はなく、当事者間の契約で設置が定められるものです。監督員と同じく、公共工事標準請負契約約款に規定されています。

 

▼監督員と現場代理人の関係

監督員と現場代理人の関係

 

 

 

兼務はできるのか

 

監督員、現場代理人、主任技術者・監理技術者の設置根拠や役割についてまとめると次の表のとおりとなります。

 

  設置根拠 設置義務 資格要件 役割
監督員 契約 なし なし 請負契約履行に関し、注文者の代理人として、設計図書に伴って工事が施工されているか否かを監督する。現場代理人に相対する者。
現場代理人 契約

なし

※公共工事は原則あり

なし 請負契約の履行に関し、請け負った建設業者の代理人として、工事現場の運営、取り締りを行うほか、請負金額の変更、請負代金の請求・受領等の一切の権限と責任を有する。

主任技術

監理技術者

建設業法 あり あり 建設工事の施工にあたり、施工内容、工程、技術的事項、契約書及び設計図書の内容を把握したうえで、その施工計画を作成し、工事全体の工程の把握、工程変更への適切な対応等具体的な工事の工程管理、品質確保の体制整備、検査及び試験の実施等及び工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理を行うとともに、当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督を行う。

 

建設業法に設置根拠があるのは、主任技術者・監理技術者のみです。主任技術者・監理技術者については、建設業法、監督員や現場代理人との兼務を禁止するような規定はありません。また、監督員、現場代理人については、注文者・受注者間の契約において設置が定められるもので建設業法に設置に関する規定がないため、当然兼務を禁止するような規定もありません。そのため、監督員と注文者側の主任技術者・監理技術者が同一人物であったり、現場代理人と受注者側の主任技術者・監理技術者が同一人物であるということは問題ありません。

なお、公共工事標準請負契約約款第10条第5項には、「現場代理人、主任技術者(監理技術者)及び専門技術者は、これを兼ねることができる。」と記載されています。

 

 

JVの場合の主任技術者・監理技術者について

 

JVとは

 

JV(Joint Venture)とは、複数の建設業者が共同で、1つの建設工事を受注、施工することを目的として形成する事業組織体のことです。JVの形態としては、次の表の形態があります。

▼JVの形態

特定建設工事共同企業体

            (特定JV)

経常建設共同企業体

(経常JV)

地域維持型建設共同企業体

(地域維持型JV)

大規模で比較的難易度の高い工事の施工を目的として工事ごとに結成されるもの。工事完成後または工事を受注できなかった場合は解散する。 中小・中堅建設業者が継続的な協業関係を確保することにより、その経営力・施工力を強化する目的で結成されるもの。発注機関の入札参加資格申請時に経常JVとして結成し、一定期間、有資格業者として登録される。 地域の維持管理に不可欠な事業につき、継続的な協業関係を確保することによりその実施体制の安定確保を図る目的で結成されるもの。発注機関の入札参加資格申請時に地域維持型JVとして結成し、一定期間、有資格業者として登録される。

 

また、JVには2つの施工方式があります。主任技術者・監理技術者はこの施工方式により設置の仕方が変わってきます。

 

▼JVの施工方式

共同施工方式

(甲型JV)

分担施工方式

(乙型JV)

JVの全構成員が各々あらかじめ定めた出資の割合に応じて、資金、人員、機械等を拠出して一体となって工事を施工する方式 各構成員間でJVの請け負った工事をあらかじめ工区に分割して、各構成員がそれぞれの分担し担当する工区の工事について責任を持って施工する方式

 

 

甲型JVの場合の主任技術者・監理技術者の設置

 

➀下請代金の総額が4,000万円(建築一式の場合6,000万円)未満の場合

全ての構成員が主任技術者を設置します。

なお、発注者から請け負った建設工事の請負代金の額が3,500万円(建築一式の場合7,000万円)以上の場合は、全ての主任技術者が該当工事に専任する必要があります。

 

▼甲型JV➀の場合の技術者の設置

甲型➀の場合の技術者の設置

 

➁下請代金の総額が4,000万円(建築一式の場合6,000万円)以上の場合

構成員のうち1社(通常は代表者)が監理技術者を設置し、他の構成員が主任技術者を設置します。監理技術者及び主任技術者は当該工事に専任する必要があります。

▼甲型JV➁の場合の技術者の設置

甲型JV➁の場合の技術者の設置

 

 

 

乙型JVの場合の主任技術者・監理技術者の設置

 

➀分担工事に係る下請代金の総額が4,000万円(建築一式の場合6,000万円)未満の場合

全ての構成員が主任技術者を設置します。

なお分担工事に係る請負代金の額が3,500万円(建築一式の場合7,000万円)以上の場合は、設置された主任技術者は専任する必要があります。

 

▼乙型JV➀の場合の技術者の設置

乙型JV➀の場合の技術者の設置

 

 

➁分担工事に係る下請代金の総額が4,000万円(建築一式の場合6,000万円)以上の場合

分担工事に係る下請代金の総額が4,000万円(建築一式の場合6,000万円)以上となった建設業者は監理技術者を、その他の建設業者は主任技術者を設置します。

なお、分担工事に係る請負代金の額が3,500万円(建築一式の場合7,000万円)以上の場合は、設置された監理技術者・主任技術者は専任する必要があります。

 

▼乙型JV➁の場合の技術者の設置

乙型JV➁の場合の技術者の設置

 

 

 

まとめ

 

技術者の扱いについては、建設業法で定められおり、現場ごとにきちんと管理しなければいけません。専任技術者、主任技術者・監理技術者の違いを把握し、正しく技術者を配置しましょう。

 

 

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