行政書士船場事務所

0662240886
営業時間9:00- 18:00 土日祝休み

32.役員が交通事故を起こしたら、建設業許可は取り消されるのか?

column
船場事務所 » コラム » 各種建設業許可申請 » 32.役員が交通事故を起こしたら、建設業許可は取り消されるのか?

32.役員が交通事故を起こしたら、建設業許可は取り消されるのか?

2021年01月28日
32.役員が交通事故を起こしたら、建設業許可は取り消されるのか?

役員が交通事故を起こしたら、建設業許可は取り消されるのか?

 

建設業者で役員を務める人が起こした交通事故は、許可行政庁による監督処分の対象になるのでしょうか?

国交省の監督処分基準から、監督処分の具体的基準を見ていきましょう。

 

監督処分の具体的基準(適用区分の抜粋)

(1)建設業者の業務に関する談合・贈賄罪(刑罰違反(競売入札妨害罪、談合罪、贈賄罪、詐欺罪)、補助金等適正化法違反、独占禁止法違反)

(2)請負契約に関する不誠実な行為

➀虚偽申請

➁一括下請負

➂主任技術者等の不設置等

➃粗雑工事等による重大な瑕疵

⑤施工体制台帳等の不作成

⑥無許可業者等との下請契約

(3)事故

➀公衆危害

➁工事関係者事故

(4)建設工事の施行等に関する他法令違反

➀建設工事の施行等に関する法令違反

ⅰ 建築基準法違反等

ⅱ 廃棄物処理法違反、労働基準法違反等

ⅲ 特定取引に関する法律違反

➁役員等による信用失墜行為等

ⅰ 法人税法、消費税法等の税法違反

ⅱ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律違反(第32条の2第7項の規定を除く)

➂健康保険法違反、厚生年金保険法違反、雇用保険法違反

(5)履行確保法違反

 

交通事故は、「(3)事故」「(4)建設事故の施行等に関する他法令違反➁役員等による信用失墜行為等」に該当しそうですが、「(3)事故」は建設工事の施行における事故のことで、「(4)建設工事の施行等に関する法令違反➁役員等による信用失墜行為等」は、その対象が税法違反、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法令違反に限定されています。監督処分基準を見る限りでは、役員が交通事故を起こしただけでは、許可行政庁の監督処分の対象とはならなさそうです。

 

建設業許可の欠格要件

建設業許可には「欠格要件」という要件があります。欠格要件に該当すると、建設業許可を受けることができません。建設業許可を受けて営業をする建設業者が欠格要件に該当することになれば、許可が取り消されることとなります。交通事故を起こした場合も、この欠格要件に該当し、許可が取り消される可能性があります。

欠格要件

許可を受けようとする者が次の(1)から(14)のいずれか(許可の更新を受けようとする者にあっては(1)または(7)から(14)までのいずれか)に該当するときは、許可を受けることができません。

⑴破産者で復権を得ないもの

⑵一般建設業の許可または特定建設業の許可を取り消され、その取消の日から5年を経過しない者

⑶一般建設業の許可または特定建設業の許可の取り消し処分に係る通知があった日から当該処分があった日または処分をしないことの決定があった日までの間に廃止の届出をした者で当該届出の日から5年を経過しないもの

⑷前号に規定する期間内に廃止の届出があった場合において、前号の通知の日前60日以内に当該届出に係る法人の役員等若しくは政令で定める使用人であった者または当該届出に係る個人の政令で定める使用人であった者で、当該届出に日から5年を経過しないもの

⑸営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者

⑹許可を受けようとする建設業について営業を禁止され、その禁止期間が経過しない者

⑺禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

⑻建設業法、建設工事の施行若しくは建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反したことにより、または刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者

⑼暴力団員または同号に規定する暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者(⒁において「暴力団員等」という)

⑽精神の機能の障害により建設業を適正に営むに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者

⑾営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年でその法定代理人が前各号または次号(法人でその役員等のうちに⑴から⑷までまたは⑹から⑽までのいずれかに該当する者のあるものにかかる部分に限る)のいずれかに該当するもの

⑿法人でその役員等又は政令で定める使用人のうちに、⑴から⑷まで又は⑹から⑽までのいずれかに該当する者(⑵に該当する者についてはその者が第29条第1項の規定により許可を取り消される以前から、⑶又は⑷に該当する者についてはその者が廃止の届出がされる以前から、⑹に該当する者についてはその者が営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員等又は政令で定める使用人であった者を除く)のあるもの

⒀個人で政令で定める使用人のうちに、⑴から⑷まで又は⑹から⑽までのいずれかに該当する者(⑵に該当する者についてはその者が許可を取り消される以前から、⑶又は⑷に該当する者についてはその者が廃止の届出がされる以前から、⑹に該当する者についてはその者が営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の政令で定める使用人であった者を除く)のあるもの

⒁暴力団員等がその事業活動を支配する者

ここでいう役員等とは、以下の者が該当します

・株式会社または有限会社の取締役

・指名委員会等設置会社の執行役

・持分会社の業務を執行する社員

・法人格のある各種の組合等の理事等

・その他、相談役、顧問、株主等、法人に対し業務を執行する社員(取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等)と同等以上の支配力を有するものと認められる者か否かを個別に判断されるもの

 

欠格要件では、直接的に交通事故=許可取消、と規定されているわけではありません。交通事故について欠格要件で関係するのは「⑺禁錮以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、またはその刑の執行を受けることが無くなった日から5年を経過しない者」です。交通事故は、刑法及び自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(自動車運転処罰法)などにより刑罰が規定されています。役員が交通事故を起こし、これらの法律の規定により禁錮以上の刑を受けることになれば、欠格要件に該当し、許可が取り消されることとなります。

 

どのような交通事故だと「禁錮以上の刑」になるのか

 

交通事故には、「人身事故」と「物損事故」がありますが、刑罰の対象となっているのは、ほとんどが「人身事故」です。

例えば飲酒運転で人身事故を起こした場合の「危険運転致死傷罪」や、「過失運転致死傷罪」などは禁錮刑が科せられるものがあります。仮に建設業者も役員がこれらの刑罰を受けると、建設業許可の欠格要件に該当し、許可が取り消されることとなります。

建設業許可を維持し、会社を存続させるためには、建設業法令の遵守だけでなく、日常から様々な法令を意識しなければなりませんし、会社だけでなく、役職員個々人もコンプライアンスを意識することが大事ですね!

行政書士船場事務所